【VOCReport】「終活サービス大手:鎌倉新書」に対する反響を呟きから検証

CREMU DESIGNでは、Twitter上の声を分析することで、世間で話題になった商品や気になるブランドに対する生活者の感じ方や活用といった実態をご紹介しております。第9回目の今回は趣を少し変え、「終活サービス(ライフエンディングサービス)に焦点を充てました。

人生100年時代に到来と言われる昨今、 終活は私達もリタイア前から考えないといけないことであり、それゆえにニーズは今後伸びていくことと考えられます。今回はそんな終活サービス業界の大手企業、鎌倉新書社を取り上げたいと思います。鎌倉新書と終活サービス、そして終活に関連するイベントやサービスに対して、生活者たちはどのように反応しているのでしょうか?早速みていきましょう。

鎌倉新書のツイートに反応する層は?

まず、生活者は鎌倉新書のツイートに対して、どんなタイミングで反応しているかを見てみましょう。下のグラフは3/1~5/27の約3か月間で生活者が呟いた鎌倉新書に関するツイート数の推移を見たものです。生活者は以下の3つのタイミングで反応しています。

鎌倉書店に関するツイート推移

  1. 2月末の株価情報
  2. 3月中旬の2019年1月期決算
  3. 5月GW明けの有名投資家のツイート『本格的なネット葬送サービス戦争が始まる』

1と2は株価関連のニュースであり、3についても有名な個人投資家のツイートがきっかけで反応が伸びています。鎌倉新書のツイートに反応する層は、主に個人投資家であると言えそうです。

個人投資家は鎌倉新書にどんなイメージを抱いているのか?

続いて、鎌倉新書のツイートに反応を見せる個人投資家は、鎌倉新書にどんなイメージを抱いているのでしょうか?具体的な呟きの内容から解析します。例えば3月14日の2019年1月期決算を受けて、以下のような呟きが見られました。

  • 今後の市場を加味しても、確実に成長しそう。しかもほぼ独占状態の可能性がある。こういう歴史の長い市場はなかなかテックだけでは変えられない構造だから、スイングする銘柄としては良さそう。
  • 葬祭の紹介数が51%増加これから亡くなる人が増えるので、更なる成長

「成長」や「スイング」といった、株価の伸びを連想されるワードが呟きの中に見られます。また、SNS上での関連性の高い単語を示したワードクラウドでも、

「終活」「葬儀」といった鎌倉新書が行う終活ビジネスに加え、「拡大」「成長」、さらに「株価」「市場」というワードが見られ、生活者は鎌倉新書が行う終活ビジネスが成長し、株価に対しよい影響が出ることを願っているようです。

個人投資家は鎌倉新書にポジティブな感情を抱き始めた

また、個人の想いや行動を表す「動詞」、感情や気持ちを表す「形容詞」ではどんな単語が上位に来ているのでしょうか?

鎌倉書店と一緒に呟かれる単語のグラフ

こちらは鎌倉新書と一緒に呟かれる単語(動詞、形容詞)をグラフにしたものです。見ての通り、動詞では「思う」「考える」といった内面の動きを表わす単語が多く、形容詞では「いい」といった好意的な反応を示す単語の出現頻度が多いです。この結果、上記newsを見て個人投資家は鎌倉新書にポジティブな感情へ動いてきている様子が伺えます。さらに分析を進めてみると、

  • 鎌倉新書で賛同できたのはこの考え方:当社は川のこちら側にいる人(消費者)を対岸にいる人(事業者)にお連れする船頭の様な会社。船頭に徹する(大きな資産持って事業者になろうとは思わない)

という呟きがありました。このツイートがまさに鎌倉新書に対して抱かれているポジティブな感情を表していると思います。

まとめ~個人投資家から認知を拡大したい~

呟きの分析を行った結果、鎌倉新書は、事業が「終活」を中心としたユニークな企業であること、対象の市場が今後成長する可能性が高いため、将来性を高く買う投資家が多いということが言えそうです。しかしながら、ツイート数が10件前後にとどまっていることから、ポジティブな認知は一部の個人投資家にとどまっている可能性があります。今後、現役世代に対して「終活」の大切さを訴求することで、認知獲得と人々の反響の増加につながるのではないでしょうか。